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第11回 Python編 第1話 「表示して」と頼んだだけなのに

第11回。全3ページを続けて読めます。

学習レクチャー・2026年9月15日更新

第11回 Python編 第1話
「表示して」と頼んだだけなのに

最初の一行

HTMLで家の骨組みを作り、CSSで内装を整え、JavaScriptでボタンを動かした。

ようやく落ち着けると思ったところへ、新しい人が来た。

Python「作業員のPythonです。」

KAZU「また覚えるの? もう頭の中、満室なんだけど。」

Python「今日は一行だけです。」

KAZU「その言葉、前にも聞いたな。一か所直すだけって言われて、夜になった。」

Pythonは黙って、短いコードを置いた。

print("こんにちは、Python!")

これをPythonの実行環境で動かすと、実行結果の欄に次の文字が出る。

こんにちは、Python!

KAZU「……それだけ?」

Python「それだけです。」

KAZU「来たばかりなのに、あまり働かないね。」

Python「頼まれた仕事は終わりました。」

どうやら、この作業員は勝手に気を利かせない。頼んだことを、頼んだとおりにする。それが長所でもあり、こちらが頭を使う理由でもある。

学習レクチャー・2026年9月15日更新

第11回 Python編 第1話
「表示して」と頼んだだけなのに

文字と計算の違い

ここで出てきた print() は、文字や計算結果などを表示するための関数だ。関数は、ひとまず「名前を呼んで仕事を頼める道具」と考えよう。

丸かっこの中に、表示してほしいものを書く。文字を書くときは、" などの引用符で囲む。

では、数字ならどうだろう。

print(3 + 2)
print("3 + 2")

結果はこうなる。

5
3 + 2

KAZU「同じこと書いたつもりなのに。」

Python「上は計算です。下は『3 + 2』という文字です。」

引用符は飾りではなかった。「これは文字として扱ってください」という目印だったのだ。

学習レクチャー・2026年9月15日更新

第11回 Python編 第1話
「表示して」と頼んだだけなのに

自分の言葉で試そう

調子が出てきたKAZUは、さっそく挨拶を変えてみた。

print("今日もお疲れさまです")

今度は自分の言葉が表示された。

たった一行。でも、見本を眺めているだけの状態から、自分で指示を変える側へ一歩進んだ。

なお、このコードはPythonを動かせる環境で実行する。HTMLにそのまま貼るだけでPythonが動くわけではない。作業員にも、働くための持ち場が必要なのである。

KAZU「今日のところは、挨拶ができれば合格にしよう。」

Python「ありがとうございます。次は数字を覚えます。」

KAZU「急に職場の新人研修みたいになってきたな。」

【ミニテスト】

print("3 + 2") を実行すると、何が表示される?

A.5
B.3 + 2
C.何も表示されない

ヒント:引用符の中は文字として扱われる。

答え:B。計算してほしいときは、print(3 + 2) と書く。

【小さな実習】

挨拶の部分を、自分の好きな言葉に変えてみよう。変えるのは引用符の内側だけ。まずは「一か所変えて、結果を見る」を体験すれば十分だ。