ゼロから始めるプログラム言語サイトのトップへ

第12回 Python編 第2話 察してくれない優秀な作業員

第12回。全3ページを続けて読めます。

学習レクチャー・2026年9月15日更新

第12回 Python編 第2話
察してくれない優秀な作業員

在庫を覚える

挨拶ができるようになったPythonに、今日は在庫の確認を頼むことにした。

KAZU「手袋が少なくなったら教えて。」

Python「少ないとは、いくつですか?」

KAZU「そこは雰囲気で。」

Python「雰囲気は、まだ受け取っていません。」

人間なら棚を見て「そろそろ危ないかな」と感じる。しかし、プログラムには判断の基準を渡す必要がある。

そこで、手袋の在庫が5より少なければ知らせてもらうことにした。

stock = 3

if stock < 5:
    print("手袋の発注を確認")

stock は、在庫数につけた名前だ。こうした名前を変数という。

stock = 3 は、「stockという名前で、3を使えるようにする」という指示。最初は、名前のついた箱に数字を入れるイメージでもよい。

ただし、この = は算数の「左右が等しい」という意味とは違う。プログラムでは、値を変数に代入するために使っている。

学習レクチャー・2026年9月15日更新

第12回 Python編 第2話
察してくれない優秀な作業員

条件と空白の役割

次の if は「もし」という意味だ。

stock < 5 は「在庫が5より少ない」。条件に当てはまると、その下の表示が実行される。

KAZU「じゃあ、在庫が5なら?」

Python「表示しません。」

KAZU「5も少なくない?」

Python「ご指示は『5より少ない』でした。」

この作業員、なかなか手ごわい。でも間違ってはいない。

5も含めたいなら、条件を stock <= 5 に変える。小さな記号一つで、判断の境界が変わるのだ。

もう一つ大切なのが、print の前にある空白だ。Pythonでは、行頭の字下げで処理のまとまりを表す。この例では「条件に当てはまったときにする仕事」を、一段下げて書いている。通常は半角スペース4個を使う。

KAZU「空白にも仕事があるのか。」

Python「私の職場では、空白も勤務中です。」

学習レクチャー・2026年9月15日更新

第12回 Python編 第2話
察してくれない優秀な作業員

繰り返しと実習

続いて、同じ確認を3回表示してみる。

for i in range(3):
    print("確認", i + 1)

結果は「確認 1」「確認 2」「確認 3」。

for は、順番に取り出した値を使って処理を繰り返す。ここでは range(3) から0、1、2を取り出し、表示するときに1を足している。

変数で覚える。ifで判断する。forで繰り返す。

別々だった道具が、少しずつ仕事の形になってきた。

【ミニテスト】

stock < 5 という条件で、stockが5のとき、発注確認は表示される?

A.表示される
B.表示されない

ヒント:「より少ない」と「以下」は違う。

答え:B。5も含めるなら stock <= 5 と書く。

【小さな実習】

stockを4、5、6に変えて試そう。条件の境目を確かめると、プログラムが何を判断しているか分かりやすい。